このままだとシャドウバースは滅ぶ。
理由は簡単でサイゲームスがガチ勢しか見てないからだ。
オフラインでの大会を活性化するのはけっこうだが、他にすべきことは山盛りだ。
人気スポーツは実際に競技に参加する選手よりも観戦して楽しむ人の方が多い。
もちろんその両方が好きな人だって居る。
例えば野球が好きだったとしよう。
プロ選手に憧れる小学生もいるだろうし、
会社帰りにひいきのチームの応援をする人もいる。
高校野球で野球そのものを楽しむ人もいる。
全員が全員プロを目指しているわけでは無い。もちろんプロを目指すな! なんて話では無い。
プロを目指さない。ゲームを片手間でやってる人間がesportsを、シャドウバースを根付かせるのに最重要になってくると言いたいんだ。
ログボ貰ってクエストクリアしたから今日は放置でいいや。
デッキはまとめサイトのを使えばいいや。
そう言う人間からしてみれば勝利至上主義はただのストレスでしか無い。
最終的に、勝てないからもういいや。になってしまう。
まずシャドウバースはそういう層ができやすい構造になっている。
通常の紙のトレーディングカードゲーム(TCG)なら
友人たちと一緒に構築済みのデッキを買う。
そこで遊んでルールを覚えてパックを買って自分のデッキを自分で強化していく。
さらに勝ちたいと思ったときにネットでデッキを調べ、ネット上にあるデッキを作り上げる。
そして、店舗大会などに参加していく。
なので通常のTCGプレイヤーはTCGの勝ち負けとは別次元の楽しさを理解してガチ勢になっていく。
しかしシャドウバース等のデジタルなTCGは事情が変わってくる。
かなりの数のプレイヤーがシャドウバースが初めてのTCG体験だ。
そういったユーザーは神撃のバハムートやグランブルーファンタジーなどのソーシャルゲームあるいはスマホゲームから入ってくる。
そういった層が最初にやるのは自分が入手したカードが強いかどうか、ようするにリセマラだったり、まとめサイト(ゲームwithやAI)での強いデッキや勝ち方などを調べてしまう。
ソーシャルゲームなら正しいが、TCGの入り方としてはかなり異端だ。
つまり最初から競技志向を持ったガチ勢になってしまう。
この部分は回避しにくい問題だろう。まとめサイトを排除するなど到底不可能だし、ソーシャルゲームとして考えるなら必然的な行動だ。
誰だって負けたくてゲームをしているわけではない。
最初期からのガチ勢化を回避するには最初はランクマッチにほぼ参加できないようにすることだろう。
これはハースストーン(アメリカなどの国で大流行してるデジタルなカードゲーム)を手本にするのが正解のはずだ。
ハースストーンは9種類のキャラを選べるが、最初は1種類しか使えない。
他のキャラを使うにはまず8種類のキャラのCPUと戦って、勝てばそのキャラが使えるようになる。
もちろんCPUはそのキャラ固有の戦略を使ってくるが、初心者でも倒せるようになっている。
追記しておくと、私はこのCPU戦を舐めていて初期デッキで全員を倒そうと思ったら失敗してしまった。
しかし大きな問題ではない。
倒せなくてもある程度最初からカードはもらえているので、解禁したキャラを使ってみたり、デッキを変えてみて、挑戦することもできる。
そして全キャラと戦った後に報酬として全キャラクターの解禁と、ある程度のパック(5パックも貰えたか覚えてない)が報酬として貰える。
ハースストーンはリセマラするのが面倒な構造になっているし、初めて友達と対戦する感覚をCPUで教えてくれる。
逆にシャドウバースは少しやるだけで20パックも貰えてしまうのでリセマラやり放題だ。
一応ストーリーモードもあるが、ルール説明部分とキャラ個性の説明に徹底しており、対戦の楽しさを教えるきはまったくない。(キャラ個性の付け方も失敗しているが、ゲームバランスは主題では無いので省略する)
ソシャゲとしては正しいだろうがそれがカードゲームの楽しさを伝えることにはつながらないだろう。
まずシャドウバースを始めるプレイヤーたちには、
勝てなかったけど楽しかった。
そう思えるゲーム体験が最重要になってくる。
じゃあどういうのが勝てないけど楽しいゲームなのか。
好きなカードだけぶっ込んだり。
誰も考えもしなかったコンボデッキを使ったり。
そういうゲームそのものを楽しむ環境が必要になってくる。
そう言う人間からしてみれば400万やオフラインランキングなんてどうでも良いわけで。
それよりももっと楽しいカードが欲しいとなる。
シャドバなら狂信の偶像、ネフティスのようなデッキ構築を歪ませるカードが楽しいカードに入る。
どうすればこのカードを最高にいかせるデッキが作れるだろうか?
カードゲームの中で一番楽しい時間のはずだが、まとめサイト等のおかげでその楽しい時間をしらないプレーヤーが多くて残念だ。
本来なら冥府や超越なんかもこちら側に入るべきなのだが、実戦レベルで強いのでしょうじき楽しく無い。
じゃあどういうのが楽しいカードなのか
私個人が最近のMTGで気に入ってるカードの一つだ。
今のMTGはマナを使った魔法ではなくて、霊気を使った機械文明の世界でストーリーが展開されている。MTGの開発陣はスチームパンクならぬエーテルパンクと呼んでいる特殊な世界観だ。
そしてこのカードはそのエーテルパンク世界でのエーテルの貯蔵庫ということになる。
これだけでこのカードがそのMTGの世界観を表現していることが解る。
そして肝心のカードの効果だ。
50点のライフを支払う:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。霊気貯蔵器はそれに50点のダメージを与える。
これは最高にイカした文章だ。なぜならMTGのプレイヤーは(通常)20点のライフから始める。
あきらかにやりすぎたダメージだが、間違いなく対戦相手を一撃で殺せる。
しかしこのカードにはもう一つの文章がある。
あなたが呪文を1つ唱えるたび、このターンにあなたが唱えた呪文1つにつき1点のライフを得る。
フレーバーとしては日常的にエーテルを使った時の効果と貯蔵器が暴走した時の両面を表しながら、50点を叩き出す為の手段の提供もしている。
このカードを活かすには大量の呪文を同一ターンで唱えることになる。
シャドウバースならリノセウスが似ているが、活用する方法はいくつか考えられる。
・ほかのカードによるコンボで無限ライフを得てからの無限ダメージ
・0コストスペルを大量に唱えるチェーンコンボによる50点ライフの獲得(OTKエルフ)
・単純にライフ獲得手段と割り切って、サブの勝利プラン(冥府エルフにおけるリノセウス)
対戦相手からしてみればそれを阻止する為に貯蔵器を壊すか、50点貯められる前にライフを削るしかない。
そこがこのカードとリノセウスの違いだ。対戦相手には止める手段がある。そして明確に相手への脅威を見せつけることができる。
どうにかして50点ダメージを止めなくちゃ! ってね。MTGだとそれらを止める手段も豊富にあるので、OTKエルフや超越のように一方的に死ぬことはない
(レガシーのデッキを今ここで持ち出すのはやめようね。話が面倒だから)
もう一つはイラスト部分で楽しむプレーヤー
構築済みデッキを買うプレーヤーはマスターランク層でもかなりいる。確かにもってないカードならお買い得だが、彼らの主な目的はイラスト違いのカードだろう。
さっさとケロベロスの水着を解禁してください
ソシャゲ的にはプレミアカードを作らせたくないだろうが、作れるようにするべきだろう。現状フルプレミアデッキを作ろうとすると何万円必要になるかわかったものでは無い。
なお比較対象としてハースストーンは10万円もあればフルプレミアムデッキが作れるそうです。日本の廃課金Pの存在を考えれば余裕ですね。
世界観を楽しむプレーヤーも存在するだろうが現状ほとんどバハムートとグラブルの世界観だけであり、シャドウバース独自の世界観と言う物が存在しない。
今後もシャドウバースの世界観を作らないのならグラブルやバハムートへユーザーを連れ込む要素が必要になってくる。
実際にサイゲームスがやりたいのは逆のことだろうが、シャドウバースの世界観が全く進展しない以上そうなる。
ハースストーンは対照的にWarcraft(ハースストーンの世界観になってるゲーム)の冠がはずれ独自の世界観を展開し始めている。
(でもレノジャクソンだけは絶対に許さん!)
しかしこの点に関して言えば面白い可能性がある。
バハムートの再アニメ化だ。
バハムートがios版をたたもうとしている時期にアニメ化をしている事を考えると、バハムートが予想よりも儲からなくなったか、
シャドウバースへ引き込むためにしている可能性がある。
となると、シャドウバースの次のストーリーはマナリアフレンズの世界に飛ばされる可能性が高い。
何が言いたいかと言うと
こうなってくると次のパックもマナリアフレンズのキャラや世界観をメインにした物になる可能性がある。
ただしこの可能性は一つ疑問が残る。
主人公であるアンとグレアがすでにカード化されている事だ。
放送時期がずれこんだこともあるので、バハムート降臨とマナリアのタイミングが同一だった可能性もあるがそれでもこの二名だけというのは不可思議だ。
もしかしたら次のパックも世界観も糞も無い。ただのガチ勢向けのカードばかりになっているかも知れない。
しかし仮にマナリアの世界観を中心としたパックだとしたら
アニメからのプレイヤーがマナリアの世界観を再現する可能性がある。
さらに踏み込んでいこう。
verseには詩編と言う意味がある。
曲解して幾つかの物語としよう。現状では全てのキャラが災いの樹にたどり着いた所でストーリーは止まっている。
災いの樹からマナリアの世界に飛ばされて、さらにグラブルの世界にまで飛ばされる。
グラブルもバハムートの世界観の影響を受けているの明白なのでさほど違和感は無い。
重要なのは今後出てくるサイゲームスの他のゲームの世界観にまで進出できるかどうかだ。
具体的に言えば、ロストオーダーだ。
そうなってくるとシャドウバースに世界観が無いなど誰も言うことはできないだろう。
なぜならサイゲームスの世界観全てをつなぐハブの役割をシャドウバースが担う事になる。
特にロストオーダーは世界観と言う点では最重要になってくるはずだ。
開発には
の松野泰己が関わっている。
松野泰己の名前でピンと来る人はもう知っているだろうが、
松野の制作するゲームはどれも世界観の作り込みが素晴らしい。
スクウェアでは若干失敗してしまったイヴァリースサーガ(統一した世界観を持つ作品群)を
サイゲームスでもう一度作りあげる可能性がある。
ゼノギアスの世界観をゼノサーガやゼノブレイドが引き継いでいるように。
そうなれば世界観という点においてはMTGやハースストーンとほぼ同等になれるのでは無いのだろうか?
もちろんガチ勢も大切なユーザー層だ。
しかし今のところ大型大会もそのユーザー層にはうまく届いてるように見えない。
シャドバには有名でうまいプレーヤーが何人も居る。
しかしスタープレーヤーはいない。
今回こんな文章を書こうと思った原因の一つだ。
少なくとも私の知ってるプレーヤーが一人もいない。
せめてrageに出てた選手がまた出てるとか、有名配信プレーヤーとかが居れば良いんだろうが、それも無い。
運営の酷さはそのうち改善されるだろう。
しかし見たくなる試合は作る事が出来ていない。
その問題の一つは現在のレーティングシステムだ。
単純にプレイ時間が長ければ強い。それがシャドウバースのランキングだ。
極端な話になるが、勝率51%で1日24時間最速で動き続けるプレーヤーがいればそのプレーヤーがトップに立つはずだ。
これはソーシャルゲームとしては正解だがesportsとしては失敗している。
オフラインイベントのランペイジも参加回数の多さがそのまま成績に反映されやすいように出来ている。
プレイスキルに主体を置いたレーティングが必要になってくる。
(簡単に書くと強い人に勝つとより多くの点が貰え、逆に弱い人に負けると大量に点を減らす)に
シーズンリセットを無しにして、ランキングに乗るためには最低一月に30戦をする形か、
あるいは月ごとにリセットして、ある一定以上のレーティングのプレイヤーには高い数値からスタートしてもらう。
ハースストーンのシステムを丸パクリ
どれかが望ましいだろう。
現状では配信しているプレイヤーも多いが、あんまりにも多すぎる。
心理学の話では選択肢が多すぎると逆に選択するのを止めてしまうそうだ。
ならいっその事公式でやってしまえ。
トップレーティングのプレイヤー同士の戦いを見れるようなシステムをアプリ内に作れば良い。
サイゲームスがどのように一戦一戦を監視しているかはしらないが、上位プレーヤー同士の一戦をさがしてくるのはさほど難しくは無いだろう。
きちんとしたレーティングシステムを構築できてるなら、間違いなく強いプレイヤーの対戦映像になるだろう。
何度も出てくるのならばなおさらだ。
更新回数は一日一回、ニコニコで見直せるとさらに良いだろう。
自己顕示欲の強いプレーヤーなら喜ぶだろうし、フォロワーが増えたり、何度も登場してることで強さをアピールし、配信を初めるプレーヤーも出てくるだろう。
これでスタープレイヤーは出来上がるはずだ。
現状最大の問題は日本の法律だろう。
まぁこんなもの世界大会にして、舞台を海外に移せばいくらでも賞金額など引き上げることが可能になり、作り上げられたスタープレイヤーを招待選手として招く事もできる。
地区予選といった。rageやファミ通カップよりは低いが、店舗大会よりはレベルの高い大会を各地で開くこともできる。
ガチ勢なら誰もが知ってる選手を集めてより高額な大会を開く。
これでガチ層も取り込むことができるだろう。
最後に、
書いてる途中でこの記事を見つけたので、自分が何かを語る必要性はあまり無いように思えたけれども、この記事は解説に徹底しており、具体的な方針はあまり無かった。
読んでいない人はこの記事を読むとカードゲームへの理解がさらに深まるだろう。
MTG開発者のマーク ローズウォーターが言うにはプレイヤーは問題点を見つけるのはうまいが、解決するのは下手。
らしいが、友人に需要があるので書いて欲しいと言われたので、シャドウバースの抱えている問題点と、その解決策と具体的な方針をベースに書いてみることにした。(と言っても持論でしか無いが)
シャドウバースが格闘ゲームやシューティングゲームと同じ滅びの道へ歩まないことを私は望んでいます。